水木しげるの知られざる名作
今回、ゲゲゲの鬼太郎は出てきません。代わりに、鬼多郎の悪友として「ゲゲゲの鬼太郎」全編に登場するねずみ男が平安時代、戦国時代、江戸時代中期、近現代の人間社会を覗き回り、その社会に住む様々な階層の人間にチョッカイを出しては痛い目を見たりする…。という話です。
内容は「勲章」「合格」「はかない夢」「神変方丈記」「ああ無情」「不老不死の術」「夢の食料」「幸福の甘き香り」「空想石」「空のサイフ」「錬金術」「マンモス・フラワー」「『幸福』と言う名の怪物」「仙人酒」「心配屋」「悪魔の使者」「海じじい」「子どもの国」の18編。どれも甲乙付け難い珠玉の一品。
読めば人生観変わる事請け合いの作品です。
「鬼太郎」では物足りない貴方へ
「ゲゲゲ」作中でも揶揄される勧善懲悪キャラクター、鬼太郎が不在なためか
より大人向けな味わい深い作品集になっています。
ねずみ男という稀代のアンチ・ヒーローがある時は主人公、ある時は狂言回しとして
活躍するこの本はお勧めです。
ねずみ男祭り
「勲章」「合格」「はかない夢」「神変方丈記」「ああ無情」「不老不死の術」「夢の食料」「幸福の甘き香り」「空想石」「空のサイフ」「錬金術」「マンモス・フラワー」「『幸福』という名の怪物」「仙人酒」「心配屋」「悪魔の使者」「海じじい」「子どもの国」の18作品を収録。本作品には全編ねずみ男が登場します。正確には鬼太郎シリーズでねずみ男として確立したキャラクターが登場していますが、鬼太郎シリーズとは関係がありません。ただし、「マンモス・フラワー」「『幸福』という名の怪物」「心配屋」はテレビアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』(カラー版)の原作となっています。 作者の短編は何度も単行本化されているものがあり、本作もどこかで読んだことがあるという印象をうけました。もっとも「悪魔の使者」「心配屋」「仙人酒」「夢の食料」などは、さほど単行本化されていない作品です。本文庫は入手が容易なのですが、初出が記載されていないのは残念です。
人生ってオソロシイ・・・
「ゲゲゲの鬼太郎」で有名なねずみ男が、平安時代から現在に至るまでの様々な時代において、色々な顔を持つ人物として登場して、「人生」というものがなんであるかを語ります。読んでいると、人生の恐ろしさに思わず背筋がひんやりと凍りつくような感触を覚えました。
筑摩書房
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