本書は、Java言語を使って効果的なコードを書くための技法についての本である。Javaについてより知識を深めたいと考えているすべてのプログラマーやシステム設計者が対象で、とくにJDBCを利用したデータベースアクセスやXML文書の構造など、Javaの周辺技術とJavaとを組み合わせてアプリケーションを作成する方法を学びたい読者に適している。国際市場向けのアプリケーションを作成するために必要な技術についても解説しているので、グローバルに利用可能なコードを書くための知識を身につけることもできる。 本書の原著は『Professional Java Programming』である。和訳ではこれを2冊に分けて構成して、その後半部分が本書である。本書の前半は、分散アプリケーションで発生するおもな問題の解決方法について、実践的なアドバイスを提供し、JDBCやXMLを使ったデータの保存とアクセス、永続化、分散オブジェクトのテクニックに関して詳細な解説を加えている。一方、後半ではアプリケーションのセキュリティについてのアドバイスを提供し、パフォーマンスとメモリ管理に関するヒントを紹介している。 加えて、コードのドキュメンテーション作成方法とヘルプシステムの提供方法、アプリケーションの国際化、JNI(Java Native Interface)の機能などについて説明している。読者が理解しやすいように、各章それぞれ具体的なサンプルを用意し、解説しているため、実践での応用に役立つノウハウが学べる。また、掲載されているソースコードは、Webサイト上でも公開されているため、コードをダウンロードして内容をチェックすることも可能となっている。 本書は、すでにJava言語をマスターし、プロフェッショナルとして次のステップを目指す読者にとって最適な参考書である。また、Java言語を使った開発で問題に直面している読者にとっては、解決策を見い出す良い手引書となるだろう。(大塚佳樹)
上巻と併せて
上巻がどちらかというとクライアント単体での使用に向いた機能、GUI、印刷、Threadなどを中心に解説したいたのに対し、本書はサーバーとの通信やミドルウェアとの連携を説いた解説が中心です。たぶん、個人が趣味でプログラミングを楽しんでいる場合は上巻だけで大丈夫でしょう。趣味だけでなく仕事でもJavaを書く必要があったり、規模の大きい開発を行う場合はこれらの技術が必要になります。これらJDBCやXML、分散オブジェクトなどはそれだけでもかなりの解説が必要で本書だけで十分という訳にはいきませんが、最初に一歩として一通り理解をするには本書は最適です。 上巻同様解説も平易で例も多く非常に好感の持てる本です。
Javaプログラマーは是非
Javaは、JDK1.1以前のこじんまりした印象から、一変してJava2になりSDKで標準でサポートする機能が格段に増えてきました。 たぶん、これらの機能を網羅的に習得するのはかなり困難です。APIのドキュメントはありますが、本書はそれらのドキュメントとともに常に机において必要に応じて解説を見るという使い方が役に立ちます。 標準のドキュメントだけではわからない使用例やTipsなども多く、解説も大変わかりやすいです。
インプレス
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